alphaのときどきブログ

Webにちょっとだけ関係した仕事をはじめた元Webディレクター兼業主婦が徒然と書くブログ。読書記録、美術展の感想など。

「技を極める—ヴァン クリーフ&アーペル  ハイジュエリーと日本の工芸」に行ってきました

会期終了直前に駆け込んだ!

4月末から8月上旬まで京都国立美術館で開催されていた「技を極める—ヴァン クリーフ&アーペル  ハイジュエリーと日本の工芸」に会期終了前日に駆け込みで行ってきました。

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普段身に付けているアクセサリーは結婚指輪のみ(自宅ではそれもつけない)、
ピアス穴を開けてから金属アレルギーになってしまったり、と装飾品には縁遠い暮らしをしています。
ですが10年ぐらい前、東京在住時にBunkamuraザ・ミュージアムでのブルガリだったかティファニーだったかのジュエリーをテーマにした展覧会のチケットをもらって行ったことがありました。
(今検索したけど出てこなかった…どちらのブランドでもなかったのかもしれません。そう思うとブログに書いておくと記録になっていいね!)
その時は、全部を観終わった後、ただただもう多幸感に包まれる、不思議な体験でした。

この展覧会のことを知った時、京都でしか開催されないということと、久しぶりにキラキラしたものを観て幸せな気持ちになりたいなぁ…と思い行ける時に行こう!ということで、ギリギリですが行ってきました。

平日でないにもかかわらず、チケット売り場がそれほど並んでいなかったので、おっ、これはゆったり観られそうやなーと喜んでいたのもつかの間、入場口でめっちゃ並んでました…。
消えゆく多幸感…。でもギリギリに駆け込んでいるのでしょうがないです。
30分ほど並んでようやく観られるようになりました。

ヴァン クリーフ&アーペルの作品

展示は三部構成になっており、一部「ヴァン クリーフ&アーペルの歴史」ということで、ヴァン クリーフ&アーペルの作品がほぼ年代ごとに並べられていました。
そっか、商品じゃないのよね…、作品で唯一無二のものなのよね…としみじみとしながら観ました。
またヴァン クリーフ&アーペルというブランドは宝石カット職人の息子と宝石商の娘が結婚してつくられたブランドだということも初めて知りました。夫婦で展開していったブランドだったとは…!
そもそもヴァン クリーフ&アーペルの名称は知っていましたがデパートで店の前を通ったことがあるぐらいで入ったことはなかったけど…
花や葉をモチーフにしたブローチやネックレスに、鳥をかたどった作品と、自然が石や金属で表現されており、人工物なのに人工物に見えない魅力がありました。
精巧な凹凸を手で仕上げていった職人技にうっとりもします。

技を極めるのタイトルに沿った展示

二部三部については、ヴァン クリーフ&アーペルの作品に加え、日本の工芸作品が展示されていました。
ヨーロッパ、日本、それぞれの技術を生かした作品群が並んでいました。日本の工芸作品については疎く観る前は正直それほど期待していなかったのですが、果物を模した作品だったり、金箔が綺麗にデザインされている器だったり、普段触れない美も素敵でした。
ヴァン クリーフ&アーペルの作品と同時期の日本の工芸作品を並べていたので、それぞれの国の歴史や状況を思い浮かべながら比べる楽しみもありました。
表現方法や技法に違いはあれど、まさにこれが展覧会のタイトルにもある「技を極める」の展示でした。

また宝石や工芸品の美術展にも足を運びたい

物販は、エリックカール展の物販充実ぶりを思うと、会期終了まじかのこの美術展ではほとんど売り切れていました。
特にいつも私が美術展に足を運んだ際に記念として買う絵ハガキの種類はほとんどなく…。メインビジュアルに使われている作品のはもうありませんでした。
巡回展もなかったのでしょうがないですね。
観に行く展覧会は専ら絵の展覧会でしたが、これからはもっと宝石や工芸品の展覧会にも足を運びたいなーと思える心が豊かになった展覧会でした!

ちなみに、展覧会の写真は撮影禁止だったので、公式サイトを見て雰囲気を思い出していました。

highjewelry.exhn.jp

 

「エリック・カール展」(京都会場)に行ってきました

夏に開催されたので行ってきました

エリック・カール展」が東京で開催されているのをFacebookの友人投稿で知り行きたい!けれど関西に巡回展で来てくれたらなあ、と思っていたところ、調べたらまさかの京都駅の伊勢丹内の「美術館「えき」KYOTO」で開催されることを知りました。
これは嬉しい!と、楽しみに待って、行ってきました。

ちなみに開催期間は今年の夏で、既に京都での展示は終了しています。。
ですが現在岩手で開催しており、来年は福島にも巡回するようです。更に会場が増えたりはないのかなー?

ericcarle2017-18.com

はらぺこあおむし」しか知らないけれど

ベタに、実家にあった「はらぺこあおむし」の本がとても好きでした。いや今も好きです。手元にないけど。
絵が好きだったのか話が好きだったのかそれとも仕掛け絵本なところが好きだったのか…一番最後の要素が大きい気がしますが
仕掛けで遊び過ぎてボロボロにしてしまうくらいに。
原色なのに下品にならない色遣いも好きで。

正直なところ、エリック・カールさんの作品について、はらぺこあおむししか知らなかったけれど
見たいものが一つあれば充分ということで。

行ったのは8月上旬の平日夕方という日だったのですんなり入れました。親子連れが多かった…!
美術展で親子連れが多いのは新鮮でした。絵本作家の展示だものね。親子連れで原画を鑑賞するのっていいなー!
他はグループで訪れている高校生や大学生。
ちなみに京都駅の伊勢丹で開催されていたので、前売りがなくとも伊勢丹カード会員だと100円引きで入れたのはラッキーでした。

エリック・カールさんとマグリット

美術展の展示は「はらぺこあおむし」しか知らなくても十分楽しめました。コラージュで作られた絵本の原画が惜しみなく展開されていました。
というかずっと版画だと思っていたけどコラージュだったのね…
今まで読んだことのなかった絵本も読んでみたくなります。生き物がいきいきと描かれているのが印象的でした。

それから意外だったのですが、エリック・カールさんの経歴でした。アメリカ生まれで、幼少の頃に家族でドイツに渡り、ナチスドイツの時代も経験し、アメリカでグラフィックデザイナーとして就職。
しかもその就職がレオ・レオニさんの紹介だったなんて!
レオ・レオニさんもベタに教科書に載っていたスイミーしか知らないけれどあの絵は印象的でユニクロのコラボTを買ってしまったくらいには好きです。
分かってはいるけどベタなものが好きやな…

そしてエリック・カールさんが影響を受けた画家が何人も紹介されていましたが、その中にマグリットも挙げられていました。
その説明を読んだ時に、明確な言語化はできないけれども、何だか腑に落ちました。
2015年、京都でのマグリット展にて、ピレネーの城を観て、初めて絵の前で動けないという経験をしました。
マグリットピレネーの城ってまたベッタベタだけど気にしない
ピレネーの城は、シュルレアリスムへの造詣も全く深くないのですが、ずっとずっと本物を観たかった絵でした。
何だかその作者のマグリットエリック・カールさんが影響を受けたことが勝手ながら嬉しく、自分の好きなものがつながった感もありました。

それからもう1つ意外だったのは、「はらぺこあおむし」の製本は日本で行ったということでした。当時、「はらぺこあおむし」のような仕掛けの多い絵本を製本する技術は日本だからできたようです。そんなこともあるんですね。

思った以上に散財したよ!

絵を楽しんだ後は、グッズ販売。デパート主催だからか、物販に力が入っていた気がするのは気のせい…?
iPhoneケースを、買おうか悩んだけどまだ5sで(買い換えようと考えていたタイミングで壊れ、保証期間内で無償で新しい5sに変えてもらえたのでいいか…となり今に至る)なので断念。
普段は気に入った絵葉書だけ買うのですが本命のあおむしの絵葉書が1500円のセット売りにしかなく!!絵葉書は1枚から買えるのがいいのにな…
思わず使い道も考えずマグネットも買ってしまいました。そして最近は買うのが必須になっている図録も。

童心に帰ることのできる、また子連れでも観ることのできるエリック・カール展、岩手や福島会場で行く機会のある方は是非お楽しみに!

はらぺこあおむし エリック=カール作

はらぺこあおむし エリック=カール作

 

 

Webサイト、これからどうなるの?-キーワードから探るWeb制作の未来像-を発注側の立場が読んだよ!

9月20日に発売された「Webサイト、これからどうなるの?-キーワードから探るWeb制作の未来像-」
Webの最新情報がまとめられていると聞き、これは必読と思って手に取りました。
10月頭には読み終えていたのですがようやく感想をアップします。

こんな立場の人が読みました

その前に、感想を書く私という人間の現在の状況を簡単に

  • 2015年3月まで制作会社のWebディレクターとして10数年働く
  • ニート専業主婦期間を経て2016年7月より教育関連の会社で働き始める(現在進行形)
  • 現在の会社ではWeb以外の広報物も含めた発注側
  • 現在の会社ではWebに詳しい人がいないからと採用され部署でアドバイザー的な立ち位置
  • Webの制作現場は離れて久しいけれど、Web制作会社とやりとりすることはそこそこあり
  • 1年たって現職でのやりがいも感じてきたけれど、離れてWeb業界の魅力も感じていて細々と情報収集継続

このような状況なので、次の2つの理由からこの書籍を手に取りました。

  • 現場を離れてほぼ2年経過しているため、最新のWebを取り巻く状況を整理された情報で知りたい
  • 発注側として知っておくべきことを知り、必要な情報は部署で共有したい(読みやすければ部署で回覧したい)

なので、この感想は、制作現場にいる人ではなく発注側の立場の人が読んだ感想になります。

読むにあたってWebの基礎知識はベースに必要

書籍については出版社のページで簡単に紹介されていますので
書籍の雰囲気を見ることができます。

内容は大きく5章に分かれています。

Chapter 1 Webデザイン・コーディング
Chapter 2 Webディレクション
Chapter 3 SEO・Webマーケティング
Chapter 4 システム・プログラミング
Chapter 5 制作ワークフロー

中身も、図解が多用されていて、色使いも明るく、1~2つの用語説明に対して、1ページ見開きというシンプルな構成なので、
Webサイトの担当になった発注側の人でも手に取ってみようと思えるつくりだと思いました。

ところが!

個人的にはまだまだWeb業界のこと分かるぞ!の心意気で前から順に読み始めましたが、
正直…デザイナー/コーダー/プログラマーといった作る人を経ずに最初からディレクターでキャリアを積んできたには難易度が高いページもありました。
例えばChapter 1のDOMとかJSONだったり、Chapter 4のSPAとPWAだったり。読みましたが今も説明できません…。

これは部署で回覧して読んでもらうのは難しいな、と判断しました。
発注側で読むならば、Webの制作現場にいたという下地があるか、
そうでない場合はWeb担当としてどっぷりWebを勉強・経験している立場でないとすっと言葉が入りにくいと思われました。

辞書的に使っちゃおう

発注側であれば、これからWebサイトの担当になったから勉強に読む、場合にはいきなりこちらを読むのではなく
初心者向けの本を読んで(そういったおすすめができたらよいな…私の場合前者のWeb経験者ゆえのベースがあるので…)
それから発展としてこちらを読む方が理解できそうなので、おすすめです。

もしくは、全部を全部いっぺんに理解しなくてもいい!

先ほど書いたように「1~2つの用語説明に対して、1ページ見開き」なので、
制作会社さんとの打合せ時に出てきた分からない言葉を後から辞書的に引くように使うこともできます。
知ってる知ってる!と思っていた言葉について、この書籍を読むことで、あ、曖昧な理解をしていたなと気付くこともありました。
SSL/TLSとか、KGI/KPIとか(小声)
個人的にアドバイザー的な立場ゆえに、部署で質問を受けることがあるのですがこれまで独自解釈で説明し過ぎていたかも…!と。

それから、制作会社の立場にいたときに、発注側に「もっと私たちの気持ち分かって…!」と思っていたこと(思っていただけで説明しなかったらそりゃあかん)も書かれているので
相手の立場も慮り、お互いいい関係となりいいWebサイトを作ることができたらいいですね。

長々書きましたが、発注側も読んだほうがいいと私が思う理由は3つ。

  • 基礎知識を付けてから読むと発展的にWebサイトへの理解が深まる
  • きっちり読み通さなくても、辞書のように使うこともできる
  • 制作を取りまく状況の理解の助けになり、発注先といい関係が築くきっかけになる

まえがきでも発注側の人たちを含めて多くの人に目を通してほしい、と書かれているので
少し難しい、と書いてしまいましたが(でも嘘はつけない)手にして、もっともっとWebサイトを取りまく状況がよくなるといいな、
自分も発注側からそういった仕事ができるといいな、と考えています。

最後に、一個人として

とタイトルに偽りなきよう発注側として読んだ感想と読むべき理由を書きました。

現職の立場をとっぱらって一個人として読んだ感想は、

  • 2年のブランク恐ろしい知らんこといっぱい増えてる
  • Webディレクターとして転職するには勉強することほんといっぱいやな
  • やっぱり興味深く読んだのはChapter 2 Webディレクション、Chapter 3 SEO・Webマーケティングで志向(嗜好?)はっきりしてるな

でした。
ただ発注側からWeb業界を眺めている現在は新たな視点や考え方も生まれているので、その視点を強みとしながら、勉強もしていければと思います。

Webサイト、これからどうなるの? キーワードから探るWeb制作の未来像

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