alphaの(毎週更新)日記

Webにちょっとだけ関係した仕事をはじめた元Webディレクター兼業主婦が徒然と書くブログ。読書記録、美術展の感想など。

6月第2週(6/6~6/12)に読んだ本

今週は5冊

週の前半は順調に読む時間を作っていましたが後半の移動中にほとんど読まなかったですね…
新幹線ってものすごく読書がはかどる時とそうでない時があるのは、私が気分屋なのでしょうか。

2016年119冊目「消滅世界」村田沙耶香

2月に読み終えた(そんな前だったのか、最近の気がしていた)「殺人出産」の作者の性への問いかけ。性行為が一般的でなくなったパラレルな日本が舞台。
なんですが、パラレルの割に実在地名を使っていたり、人工授精といっても現在の人工授精とは違う(現在の人工授精は確率としてはさほど高くない)しで、現代の日本とパラレルが気持ち悪く交錯しているようで私は世界には入り込めませんでした。基本的に合わないのかなあ…もしかしたら。でも村田さんの問い掛けてくる世界観は気になって読んでしまいます。

消滅世界

消滅世界

 

 

2016年120冊目「深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン」沢木耕太郎

旅が終わるーーー!!!の気分の6巻。イタリアまた行きたいなあ…行ったことのない古代都市もいくつも出ていて。スペイン・ポルトガルも個人的には魅力的なんだけれど、筆者にはそうではなかったのかな。割とあっさりと読み易くパリまで。貨幣がユーロでないのが時代。ユーロ前に行ったことがないから個人的体験での比較はできなかったのだけれども、ちょっと疑似体験ができました。
そして最後…ええええええええ! この締め方!? まあそれも深夜特急らしいのかな…

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

 

 

2016年121冊目「院内カフェ」中島たい子

友人から、夫婦の在り方/親の介護/自分たちの老い/仕事と主婦業、という日常に潜む考えなければいけない現実がぽろぽろ差し出されて印象的、と言われて手に取った本。作者の名前、漢方小説(読んだことないけど)で知っていましたが初めて読みました。
問題や厳しい現実をぐいぐい迫るのではなく、病院内にあるチェーンカフェ(イメージとしてはドトールっぽいけれど、明言はされていません、あくまで架空)に関わる人の話として滲ませます。
考えなきゃなあ…でも1つ1つでいいじゃない、という前向きな気持ちになった本。

院内カフェ

院内カフェ

 

 

2016年122冊目「窓の向こうのガーシュウィン」宮下奈都

気になる作家を刊行順に読んでいく楽しみ、村田沙耶香さんと窪美澄さんについて終えてしまったので、次の作家を探していました。そこで、個人的にもじわじわ来ている宮下奈都さんを順に読んでく!と決めた時、図書館でたまたま見つけた本。刊行順では割と最近のものです。
普通って何?と問われる気になる本。だけど最初の子どもを保育器に入れない設定が虐待にならないの…?と引っかかってしまい最後までもやもやしてしまいました(その設定が小説世界でもキーになっているので)。素敵な空気が感じられる描写もあるんですけどね…。額装を知らなかったので、こういう職人技っていいな、って思えたり。

窓の向こうのガーシュウィン (集英社文庫)

窓の向こうのガーシュウィン (集英社文庫)

 

 

2016年123冊目「悪意の手記」中村文則

前述した気になる作家を刊行順に読んでいく楽しみ、もう1人いまして、それが中村文則さんの作品。
この小説はドストエフスキー好きそうな作者やな…(しかしドストエフスキーちゃんと読んだの罪と罰だけで、内容ももう曖昧模糊)という空気を出だしで感じて始まります。しかし、読み進めるうちにそんなことは忘れ、この悪意の手記、にすっかり嵌りました。犯罪を純文学に落としているのだけれど全然嫌でない。手記の書き手に同情もしないし同化もしない、ただそこに書かれたことを読むことを味わった、そんな文学作品でした。
普段は純文学作品でも憑依型で読むので、久しぶりに純粋に文学の愉しみに耽ることができました。そして最後。もう、何といっていいのか。

悪意の手記 (新潮文庫)

悪意の手記 (新潮文庫)

 

 

今週の1冊

これはもう没頭した「悪意の手記」で決まり! 文章を読むことは贅沢で愉しい。そんな文学作品を読むのは決して楽ではないのだけれど。