alphaのときどきブログ

Webにちょっとだけ関係した仕事をはじめた元Webディレクター兼業主婦が徒然と書くブログ。読書記録、美術展の感想など。

2月第2週(2/8~14)に読んだ本

今週も6冊

コンスタントに続けることが苦手なことをよく書いている気がしますが、1週間に読む本の冊数は6冊が続いてることに驚き。現状の余暇からすると少ないなと反省する冊数なのですが、現在のキャパシティはそれぐらいなのかも。鍛えていきたいところです。

2016年28冊目「ゼロの焦点松本清張

ミステリー好きなんて言いながら今まで読んだことがなかった松本清張…高校か大学の頃、ミステリー好きなら読めばいいのにって勧められたのにスルーしてたのを悔やみます。
話の舞台は昭和30年代なので今とは違う時代を感じながら、歴史を紐解くように読みました。ミステリーでありながらそういう読み方をできるのってすごい。舞台の一つである能登半島の情景も眼前に浮かぶような描写で、孤独や後ろ暗さが自然と想起されました。他の作品にもチャレンジしていきたい。

ゼロの焦点 (新潮文庫)

ゼロの焦点 (新潮文庫)

 

 

2016年29冊目「村上朝日堂の逆襲」村上春樹

ノルウェイの森が売れる前の村上春樹さんのエッセイ。意外に素直な一面と、現在と変わらない姿勢と両方見受けられるエッセイ。スワローズについての語りは村上さんのところのサイトの方がおもしろかったな。スワローズエッセイ出たらすぐ購入するんだけどなー読んでみたい!

村上朝日堂の逆襲 (新潮文庫)

村上朝日堂の逆襲 (新潮文庫)

 

 

2016年30冊目「ふがいない僕は空を見た窪美澄

去年、個人的にその題材で書くの…という小説を出されていたことから知った作者のデビュー小説。R-18文学賞の入選作品はさすがに性描写多めにしていてあんまり得意な描写じゃなかったな…(カマトト振るつもりはないんだけど過激な描写イコールエロじゃないと思うの)。連作集で苦境にある語り手が何でも持ってるように見える人の苦悩を書いた「セイタカアワダチソウの空」はよかったな。こんな人の暗部をえぐるような話の書き方が容赦ない感じに思えたので、こういった話をもっと読みたい作家さんでした。他の作品も手にしてみます。

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

 

 

2016年31冊目「花の鎖」湊かなえ

内容に触れるとネタバレしてしまいそうな内容(苦笑)。語り手が3人変わるけれどあまり性格の違いが浮き上がってこなくて最初読むとちょっと辛かった。途中の違和感にもっと早く気付けたら謎ももっと早く解けたのね、と自分の鈍感さを感じたり。メディア化を想定されてたのか割と女性の嫌な感じを抑えているような気がします。

花の鎖 (文春文庫)

花の鎖 (文春文庫)

 

 

2016年32冊目「豆の上で眠る」湊かなえ

去年取り上げた「絶唱」にも似たような題材があって、それはそうありえないでしょ…とは思うんですが、そんなありえないでしょ、という考えが本当なの?と問われている気になる作品。ミステリーなんだけど、家族や血の繋がりを問われているようで読後感は重め。あたりまえ、とか、ほんとうの、とか、って何なんだろうね、と。

 懐かしい指輪のキャンディーを思い出す装丁が素敵。

豆の上で眠る

豆の上で眠る

 

 

2016年33冊目「マウス」村田沙耶香

先週読んだ「タダイマトビラ」のラストが個人的にとんでもだったので警戒しながら読みました。が、この少女小説感、ノスタルジックも喚起されていい! クラスで気持ち悪いとされていた女の子と主人公が距離を縮めつつ、小学生の頃の不安定な人間関係と成長してからの何となくのようでそうでない関係が巧みに描かれてて納得して読めました。狭い世界の話なのに深く広がった世界を味わえる話。こういう男前な一対一の関係っていいな。

マウス (講談社文庫)

マウス (講談社文庫)

 

 

今週の1冊

今週は迷いなく「マウス」。あ、先週も迷ってなかった(笑)。幸せな読書体験が続くっていいなー。読んで幸せな気持ちになる小説が好きなのかな、やっぱり。読後感悪いけど考えさせられたり暗くなるのも好んでるはずなんだけども。

先週上巻だけ読んだ下巻が積読なのでこれが課題図書かな。電車で読みたい小説なのでどこか出掛けようかしら。