alphaのときどきブログ

Webにちょっとだけ関係した仕事をはじめた元Webディレクター兼業主婦が徒然と書くブログ。読書記録、美術展の感想など。

2月第3週(2/15~21)に読んだ本(2)

昨日の2月第2週に読んだ本(1)からの続きです。未読の方はこちらを先にどうぞ。

alpharuha.hatenablog.com

 

2016年39冊目「嘘をもうひとつだけ」東野圭吾

読もう読もうと思いながら読みそびれていた小説。でも読み始めたら何となく既に読んだことがあるような気にもなりました。でも結末を覚えておらず楽しんだからいいことにします。
東野圭吾のシリーズ化・加賀刑事が主役の短編集。加賀刑事シリーズは重いテーマの長編が多いので短編集は新鮮。身近な人の悪意だったり殺意を浮き上がらせるんですがシリーズ化されている加賀刑事もののため変な結末にはならないだろうと安心して読めます。ですが加賀刑事のパーソナリティは関係なく読み進められるのでシリーズ未読でも問題なくさっと読める短編集です。短編集なので通勤にも向いてそう。

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

 

 

2016年40冊目「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎夏海

手軽に読めるビジネス関連の書籍が読みたくて文庫になっていたこともあり今更ながら手に取りました。リクリセミナーの帰りの電車を使って読み切ったぐらい手軽です。
ストーリーを追っかけてしまう私はストーリー物でビジネスに役立つ思考を身につけるというのは無理でした。あと、ドラッガーについては在職中に研修で受けてある程度知っていたということもあるのか、ドラッガーの著書を読みたくなりました。ドラッガー未読の人が入門で読むには読みやすそう。

 

2016年41冊目「あ・うん」向田邦子

有名作家の向田邦子作品、恥ずかしながら初めて読みました。あ、中学生の時、教科書に掲載されていた「字のないはがき」だけは読んだことあるけど…
読み終えて、もっと早く読めばよかった!!と悔しい。30数年間損していた気分。飛行機事故で30年以上前に亡くなられていますが祖父母世代なこともあり古典的な文章の難しさもありません。脚本家でもあったので映像が浮かび上がる文章がとても素敵です。
この「あ・うん」は戦時中の男性の奇妙な友情を書いていますが向田さん個人の女性という性別が全く邪魔していない。こんな関係、奇妙だけどいいなと憧憬の念を抱きます。
積読してある「思い出トランプ」を読むのが楽しみです。

あ・うん (文春文庫)

あ・うん (文春文庫)

 

 

2016年42冊目「羊をめぐる冒険 上・下」村上春樹

上は既に2週間前に読んでいました。上は新幹線移動時に読んだのですが非日常に合いました。昨年CREAが旅に持っていきたい小説を特集していて、私だったら何になるかなー割とどろどろした小説が好きなので旅向きな小説思いつかないなんて妄想していましたが、これに決まりです!
下巻は自宅で読んだのですが、小説の内容も旅先ながらある場所に留まっての話が主となります。結末はあまり想像していなかったものでしたがけれども暗くなく、その後の小説より厭世観もない感じが意外でした。

 

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

 

 

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

 

 

2016年43冊目「殺人出産」村田沙耶香

どうも村田さんについて情報を集めていると「しろいろの街の、その骨の体温の」で評価を高め、その後の最初の単行本であるこの作品で傾向が変わりつつあるようです。テレビにも取り上げられたみたい。確かにショッキングなタイトル。
性と生殖と殺人という重いテーマへ向かう意欲作でぐいぐい読ませられます。ただ10人産んだら殺人が出来るようになった世の中、というとんでも設定と現代ぽさが混じっているのが気になってしまいテーマの問い掛けに入り込めないのかな。あと人工授精はそんなに妊娠が確実な方法じゃないよーというのも。
最新刊「消滅世界」ではこのテーマを更に深めた作品のようなので読むのが待ち遠しい。ちなみに「しろいろの街の、その骨の体温の」は昨年既読です。新興住宅地育ちには迫るものがある話。

殺人出産

殺人出産

 

 

 

今週の1冊

純文学に傾倒して近代と現代の作品をバランスよく読んだ週ではないかと。ムラっけ読書をするタイプなので週の前半は全然読まず後半でダダダッと読みました。
印象に残ったりいい出合いもあったりした週ですが今週の1冊は「賢者の愛」。谷崎文学への邂逅、山田詠美との再会、と読書歴を振り返るような1冊でもありました。