alphaのときどきブログ

Webにちょっとだけ関係した仕事をはじめた元Webディレクター兼業主婦が徒然と書くブログ。読書記録、美術展の感想など。

文学部を出てWebディレクターになってよかったこと(4)最終回

いつも毎週水曜日は先週読んだ本の記録ですが書き始めた記事がキリよく今日で終わりなのでそちらを優先します。
読んだ本記録は明日更新します。前回はこちら。

alpharuha.hatenablog.com

さて、ミーハーな就職活動から一転マルチメディア制作会社に入ってからのお話。

本当に何もできなかった

何となく相性はよさそうだぐらいの気楽な気持ちで入社した私。正直なところ3年勤めてある程度貯金してマスコミ業界に転職しようかなとまだ思っていました。
ですが。まず新人研修の内容が全然わからない。そもそもインターネットの仕組みって。当時インターネットを使って私がしていたことはWebサイトを使って就職活動でのエントリー、メール、ぐらい。同期はみな学校の授業やダブルスクール等でWebサイト制作をしたことある人達ばかりでした。カルチャーショック。当然ソフトを使った制作実習も全くついていけません。

入る会社間違った、どうしよう、でも会社紹介で企画部門があると言っていたし、私は物事を考える方が得意!と前向きに考えるようにしていました。本当は泣きそうだったけれども。

制作部門でWebディレクターになる
その後、企画部門に配属され張り切っていました。先輩の案件のアシスタントという形で勉強しながらという形が主でしたが、お客様のところに行って打合せをし、要望を実現するための企画書を書くのはすごくやりがいがありました。
課題をもとに提案し組み立てる企画という仕事は学生時代の演習のレジュメ作りを思い出す作業でもあったのです。
ところが、2年目に、制作部門のWebディレクターへ異動となってしまいました。HTMLタグの1つも(1つぐらいはわかってたかも、改行タグぐらい)分からないのに制作部門への異動!!ディレクターは制作しないとは言え制作メンバーとのやり取りが発生するのにどうしよううううううう嫌だ嫌だ嫌だすぐ企画に戻ってやる、とかなり凹みました。
始めの方は企画部門への未練があり無気力な仕事の仕方だったと思います。Web制作のことを何も分かっていないから任せたくない社員でそれほど多くの仕事もありませんでした。
けれども元の企画部門の先輩方からの依頼や部署内の仕事等を担当するとだんだんWebディレクターとしての自覚を持つようになりました。お客様と案件を詰める場に多く呼んでもらって話すことも増えました。Web制作の技術的なことを押さえるのは苦手ではありましたが、制作や開発メンバーに恵まれ分からないことはどんどん教えてもらうようにしました。
それから10数年、去年の春までずっと周囲の助けや運やめぐりあわせでずっとWebディレクターでした。

結論
さてタイトルの文学部を出てWebディレクターになってよかったこと。

高慢ちきで、でもWebは苦手な新人社員でした。それでも挫けそうになった時私は心にサロンを持っている、という矜持を思い出し、仕事の支えにできたこと。

Web以外に自分を形成している分野があるということがお客様や制作開発メンバーとのコミュニケーションのきっかけになったりすることもあるということ。文学作品を読むのが好き、というと意外なことにウケがよかったり。

演習の授業のおかげで目上の人にも物怖じせず(大学院生も一緒の授業を受けていました)なおかつ自分の考えを分かってもらうために論理的に論を組み立てる基礎があったこと。お客様と話をするのが最初から苦痛でなかったのはこの経験も生きていました。

あと、単純に本を読むのが苦痛でないので、調べ物をしたり文献にあたったりを苦にしないこと。
最初に(1)で書いたように極めて個人的な結論になってしまいました。あくまで私にとってよかったこと、です。文学部でなくても身に付けられることだったのかもしれません。そしてビジネスの場に出て一社会人としての能力を叩きこんでくれたのは新卒で入って去年まで勤めていた会社です。それでも、私は興味のある分野を少し触って、社会人になってよかったと本当に思っています。
そして何を学んできていても直接的にではなくても活かせるのがWebディレクターという仕事の懐の広さじゃないかなと。

おまけ
もともと国立大文系いらねーよという論調に憤慨していたところから書いてみようと思ったテーマでしたがそのあたりをうまく繋げられなかったですね。今後の課題かな。
そしたらちょうど本屋さんに文系廃止に対して異論を唱える新書がいくつか出ているのを見てタイムリー。今度読んでみます。

それを先に読んでいたらこのエントリは書いてなかったのかも。

 

「文系学部廃止」の衝撃 (集英社新書)

「文系学部廃止」の衝撃 (集英社新書)

 

 

文系学部解体 (角川新書)

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