alphaのときどきブログ

Webにちょっとだけ関係した仕事をはじめた元Webディレクター兼業主婦が徒然と書くブログ。読書記録、美術展の感想など。

4月第1週(4/4~10)に読んだ本(2)

※昨日記事の「今週は9冊」を「今週は10冊」に訂正しました。読んでいたのに記録漏れていた本があったことを思い出したので。

2016年86冊目「卒業」東野圭吾

現在まで刊行を続けている刑事加賀恭一郎シリーズ第1弾。この間読んだ第2弾でもまだ主人公加賀が若かったのですが、更にこちらは若いです。
作者自身のデビュー2作目ということもあって全体的に初々しい感じ(そう思って読んでいるからかもしれませんが)大学生活を書いていますが30年前だけあってバブリーで軽い感じがします。話し言葉も時代を感じられます。当時の空気感なのか友人関係でごたごたしているのにクールな感じが最後まで違和感だったのですが当時はそんな感じだったのかな…。そして何となく犯人が分かったので既読だったのかもしれません。

卒業 (講談社文庫)

卒業 (講談社文庫)

 

 

2016年87冊目「漁師の愛人」森絵都

表題作の長編小説かと思いきや色の違うプリン3部作を含む短編集。表題はタイトルに反してあまりドロドロしていません。女性作家の割にあんまりどろどろした描写をされない作家さんなのかな。表題作も妙な爽快感がありましたが、東日本大震災直後の東京を書いた「あの日以後」が秀逸。実際にその時に首都圏にいた人が読むと違う感想なのかもしれませんが、阪神淡路大震災直後の被災地から少し離れたところはこんな感じだったので。原発問題はなかったけれど余震がよく分からなくなる感覚とか。

漁師の愛人

漁師の愛人

 

 

2016年88冊目「よるのふくらみ」窪美澄

女性1人とそれを巡る兄弟がそれぞれ語る連作集。窪さんの文章は好きなんだけれど、どうもこの女性に魅力を感じられず読み進めるのが辛かったな。兄弟のそれぞれの主張は伝わるだけに(正誤関係なく)。

よるのふくらみ

よるのふくらみ

 

 

2016年89冊目「鴨川ホルモー万城目学

京都色全開の小説って割と避けます。いわゆる世間がイメージする京都らしいものに対し憧れつつ京都すごいでしょーという空気が鼻につくからかもしれません。
でも何故かふと読みたくなって今更借りました。平安神宮近くの春画展に並びながら読んだからでしょうか。ベタな京都もええやん、って素直に思える小説。小難しいこともなく楽しく読めます。この世界観が終わるのが寂しいと思っていたら続編もあって嬉しい。自身の大学生活はたいへん満足しているのですが、もう1人の私で京都で学生生活を送りたかったかも、なんて思います。

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

 

 

2016年90冊目「やらな、しゃーない!」岩田稔

メモ忘れてた本はこちらの本。阪神タイガースの岩田投手の本。去年I型糖尿病にかかった小学生の男の子が祈祷師の命じられて治療を受けられず亡くなったというニュースを耳にした時岩田投手のことを思い出したのですが、まさにご本人はそのニュースで心苦しかったのですね。その病気ではない私がどうこうは言えないですが治らない病気だけれどプロ野球選手として活躍することが可能な病気なのに…と。
認知度の低い病気について著名人が広めることっていいですね。それで誤解や偏見が減っていくといいですし。
ちなみに私は岩田投手が病気を持っているということは忘れています。一投手として応援し、不甲斐ない時はちょっと文句も言いたくなります苦笑 他の投手との差はありません。

やらな、しゃーない! 1型糖尿病と不屈の左腕
 

 

今週の1冊

割とすんなり読めた本が多かった1週間。だから冊数も多いのですが。新しい作家との出会いになり京都の魅力を見直すことができた「鴨川ホルモー」で。