alphaのときどきブログ

Webにちょっとだけ関係した仕事をはじめた元Webディレクター兼業主婦が徒然と書くブログ。読書記録、美術展の感想など。

東京で開催中!世界が歪む?ダリ展in京都へ行ってきました

事前知識はルー大柴扮するダリの写真だけ

記事の順序が前後しましたが、8月下旬の平日、振替休日だったので京都市美術館で開催されていた「ダリ展」に行ってきました。現在は京都での会期は終了して、東京の新国立美術館(六本木)でやっています。
開始時にルー大柴がダリに扮したポスターでテレビ(多分関西ローカル)に取り上げられていたのを見て、新しい企画展始まったのかー日が合えば行ってみるかな、ダリって名前は知ってるけどどんなの描いたかはよく知らないけど、ぐらいでした。
SNSで知人が話題にしていたこと、夏休み期間の混雑のすごさ(1-2時間待ちだったかな)を知りミーハー心を刺激され、行くことに。
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どこかでお昼を食べて行くつもりがお目当ての店が閉店だったりランチメニューが終了していたりで運のなさに心折れ(苦笑)、余裕を持って鑑賞したいのでお昼は諦めて行きました。
まだ学校は夏休みのところもある時期とは言え、平日なのに当日券買うだけで5分並んだのは初めて。昔は前売りを予め買ってたしなぁ。

入場前に体験型アート?で写真撮影できます

 チケットを買った後も列ができており、入場制限かな?と思いきや違いました。ダリの世界が再現されたスペースがあり、写真を撮ることができます。ぼっちで下手でも気にせずウキウキで写真撮ったよ!
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ちなみに、これは何の変哲もないアート。これが実は…?という。東京でも同じ展示があるようなので、あれぇ?というトリックアートを楽しむのは是非そこで!

入場前に警告が

アートを楽しんだ後入場すると、そこには「刺激的な作品がありますので心して入れよ」(実際はもっと公的な注意文)と警告がされていました。そんなん書かれているの、初めて見たんやけど。子供向けにちょっと脅してるのかな、オーバーオーバー!と楽観視し(何も考えてない)ダリの生涯を辿りながら展示エリアへ進むことに。
最初は少年時代に描いた風景画(故郷のスペインの景色)を中心に展示されていましたが、普通にうまいわ!そりゃ画家になるよね!と。美術展に行き子供時代の絵を観た時に感じることを今回も。凡人並の感想ですね。描かれている景色を自分も見たくなりました。
 

モダニズムからシュールレアリズム

進むとダリが美術学校に入学してからのモダニズムの影響を受けた作品、そしてシュールレアリズムに傾倒する作品が多く並べられていました。このあたりは解説を読んでも美術用語に疎くて頭に?が並びます。知識から考えるのではなく美術作品を感じるべきところではありますが、素直に見たまま感じ取りづらい作品が並びます。自画像でも不安を与える色使いに感じたり。
シュールレアリズム時代の作品は更に「意味がわからへん!」感がマシマシ。オマージュなのか挑戦なのか引き出しだらけになっているミロのヴィーナス、人が人の顔ではないオーケストラが描かれた作品、ここに表現されている世界は何?幻?と平衡感覚がなくなりそう。それでも魅せられて作品をじっくり観たり、次の作品を観ることが怖いのに止められないという、妙な興奮状態に陥っていました。
それでも自分の中の強がりが刺激的な作品に注意って書いてあったけれど私は大丈夫ぅぅ!とこの時点ではまだ思っていました。が。
「ガラの晩餐」というダリの妻と食事を描いた作品とその群でもうやめてええええぇぇぇでも癖になるぅつい観てしまうぅ…というおかしな気持ちになりました。お昼抜きのはずなのに食欲全くわかない晩餐って名づけられた作品て!
何がそうさせるのか。おそらく当たり前だと(勝手に)信じていることが当たり前でないと提示されることに感覚を狂わされているのではないかと思われます。人間関係や様々な文化からそういった刺激は時に受けるのですが、美術展でそういったことはなかったので衝撃でした。

力尽きつつ最後まで観る

テーマパークにあるようなジェットコースターに並んでいたけれどやっぱりやめたという途中の出口があれば出ていたかもしれません。が、力尽きた感がありますがそれでも最後までじっくり観ることにしました。
第二次世界大戦で出てきた原子爆弾に衝撃を受け、そこから原子力に影響を受けた(厳密に書くと原子力だけではないのですが)作品もいくつもありました。シュールレアリズムの作品でも驚いていたのに、原子力と画家という組み合わせが意外でダリの底知れぬ才能を覗き見したようで、ますます混乱しました。綺麗な青に原子力。広告も手掛けていたようで、Webデイレクターとしてはそこは非常に気になりました。そして驚くべくはそういった様々な斬新な挑戦をしていたけれども晩年には古典派へ回帰していくということが意外でした。
前回記事にした藤田嗣治もそうでしたが、欧米で生活するとキリスト教というのは芸術と切り離せないんだろうな…と卒業旅行でヨーロッパの美術館に行った時の感想を改めて持ちます。
そしてダリ美術館もあるなんて。怖いけどスペインに行ったら行きたい。更に私が産まれた頃にまだご存命だった

感覚が狂わされるかもしれないのにグッズを買う

何とか最後まで 観て、疲れたよパトラッシュ(誤用ですね)という気持ちになりながらも、ポストカードを買い込みました。なんでだろう…
ちなみに「ガラの晩餐」はありませんでした。刺激強すぎるからかな…それとも売り切れなのか。売っていたら間違いなくうわぁぁと独り言言いながら買っていました(被虐的)。
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でもさすがに費用的な問題ではなく図録を買う気にはなれませんでした。正視できる自信がなく…。もう少し私が客観的な視点を持てるようになったら欲しい、な。
そして面白そうなガチャガチャがあったのでつい童心に帰ってやってしまいました。写真撮影はできなかったので、LマガジンのWeb記事でどうぞ。

www.lmaga.jp

あたったのはこちらでした。比較的刺激が少なそうなピンバッチかな。

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それにしても本当に不思議なダリの世界でした。美術展に行く時、美しいものを素敵なものを観てうっとりしたいという気持ちが強いのです。ですが今回は、うっとりはしていないのに、合う、といった軸とは違うのに、中毒性がありもっと知りたくなる美術展でした。これまた行ってよかった! 関西で逃した人は東京で行くことお勧めします。
 

おまけ 六盛茶庭のスフレ 

昼食抜きだったにもかかわらず展覧会で胸もお腹もいっぱいでごはんは食べる気にならず、学生時代から食べてみたかった六盛茶庭へ。おやつは別腹ということで。
当時読んだ京都ガイド本(神戸の大学生なので京都はアウェイ。なお今もアウェイ気分)にスフレがおいしいお店、とあり気になっていたのですが高級な雰囲気で入るのを躊躇っていました。
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味によっては売り切れでしたが、定番のバニラはあったので注文!注文を受けてから焼いてくれます。そのため20分待ちますが、現実世界に戻るリハビリにはいい時間でした。時間を掛けられたスフレはこのように膨れてふわふわです。ふわふわ!
おいしかった! けれどふわふわは冷えていくうちにしぼむので、見た目ほどのボリュームはありません。ボリュームを楽しむデザートではないよう。
ダリの世界からスフレにより帰還した私は、つい、もう一つの展覧会を行こうなどと考えることに…。続く。

関西で観られるのは明日9/22まで!「生誕130年記念 藤田嗣治展 -東と西を結ぶ絵画-」展へ行ってきました

裸婦画好きなんです

きっかけは、たまたま近くの図書館でお勧めの本としてラックに並んでいたこの本。

猫と道草、アートの旅―イノモト流ニッポン美術館紀行

猫と道草、アートの旅―イノモト流ニッポン美術館紀行

 

 猫に美術館という好きなものダブルで嬉々として読み進めていたところ、新潟県立近代美術館の頁に藤田嗣治という画家が描いた裸婦が猫(などの動物)に囲まれた絵がある書かれていました。
裸婦!猫!
猫が好きなのは前述の通りですが、ルノワールの裸婦像(恐らく大昔のオルセー美術館展のポスターに使われていた「陽光を浴びる裸婦」)に感銘を受けたことがあり、裸婦が描かれた絵が気になってしょうがない!
しかもこの藤田嗣治という画家は本によると「乳白色の肌」と代名詞にも言われているとのこと。
知識不足でその日まで藤田嗣治のことを知らなかったのに、急にこの画家の作品をどこかで観たくなってしまいました。いつか新潟まで原画見に行くかな…とダメ元で画家名で検索したところ、まさかの関西で展覧会が開催されてる!何この偶然!運命ぽい!でも22日まで。雨だと出掛ける気半減だけれどそんなこと言ってる場合じゃない、ということで行ってきました。

www.leonard-foujita2016.com

公式ページにあるように関西で見逃しても府中で巡回展があるよ!

 

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学生時代の評価は上位ではなかった

以前記事にしたモランディ展、書きそびれてしまった鉄斎展(本年5月)に続いて3回目の兵庫県立美術館。過去2回は人が比較的少なく(京都市美術館比)出身地の兵庫県&神戸市びいきとしては心配だったのですが今回は割と人が多くよかったやん!

と思っていたのですが敬老の日の無料施設だったようで…。

それでも少し待てば気になった絵をじっくり観られる環境で快適でした。
藤田嗣治、戦後フランス国籍を取得しレオナール=フジタとなった、彼の生涯に沿って作品が展示されていました。
少年の時から当然ながら上手いのですが、驚いたのは学生時代(現在の東京芸大)の卒業作品の評価は卒業生の中でも上位評価ではなかった、という解説がついていました。若い頃の評価が絶対でないこと、続けること、挑戦することってだいじ。

乳白色の裸婦

卒業後、パリに渡ってからの絵は学生時代と筆致が変わっていて、環境の変化を感じます。「乳白色の肌」もこの時期に既に描かれ始めていました。裸婦キター!! 裸婦綺麗やで裸婦。「裸婦像 長い髪のユキ」の前で、しばらくピンクを帯びた透き通る肌の色にうっとりしていました。
パリで売れたこの時代には、頼まれて描いた絵も多くありました。職業画家のプロフェッショナルさ。女性のドレスのディテールの描き込みが本当に細かくて素敵。さらに静物画には藤田自身を紛れ込ませたお茶目な手法に笑みがこぼれます。
時流に乗り自身が乗っている時というのはいい仕事が次から次へと出来るんやね。

各地を転々、そして戦争

パリ時代から変わって世界を旅してまわるようになった時の30年代の絵画はエキゾチックさが加わったような作風です。
そして戦争の時代となり、国に依頼されて戦争画を描くように。そんな職業があるとは知らなかった…。大きな戦争画が何枚も展示されていました。迫力、むごさ、…言葉にならない絵ですが、真っさらな気持ちで観られない絵もあるということ。
パリ時代の華やかな絵との落差に何とも言えない気持ちになりました。

再びパリへ

戦争画のコーナーの次では、戦争時代の絵で戦争責任に問われることになり、藤田はパリへ渡り、二度と日本へ帰ることはなかったとの解説がありました。何と…
それでもパリへ再び渡ってからの絵は美しさを追求した絵が続き、観ていて穏やかで贅沢な気持ちになれる絵が続きます。裸婦と猫の絵もありました。乳白色が陶器のようで。
その後宗教画や手掛けた教会のステンドグラス等も展示されており、そこで終わります。

おわりに

スマホの充電が切れて時間が分からなかったこともあり、時間を気にせず気になった絵をじっくり観ました。様々なことに翻弄された生涯を辿ったからか、自分も様々な体験をしたような気になりました。
恒例の絵葉書も買ってきたよ!
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写真に撮った以外も買いましたが猫と裸婦の絵葉書はありませんでした。版権の問題かなーなんて思いましたが売切なだけかも。左の金色の絵葉書は画家の個性が出ていながらも日本風の背景が描かれていたのがよかったので。真ん中が記事中に出てきた「裸婦像 長い髪のユキ」。ユキはあだ名で日本人ではなくベルギー人。
思い立ったが吉日な鑑賞でした。

CMS大阪夏祭り2016に行ってきました

もう10日前(!)になりますがCMS夏祭りに行ってきました。このタイミングで速報性は全くありませんが、自分の備忘録とCMS初心者からの視点の記事として書いておきます。

cms-fes.info

 

私の現状

  • ・10数年Webディレクター職→専業主婦→この7月よりある会社で広報企画・事務
  • ・現在の仕事では企画段階でCMSに関わることはあり、設計・実装は携わらない
  • ・Webディレクター職時代はMTはちょっと運用で関わったけれど(お察しください)

そのような状態でCMS夏祭り参加してみた理由

  • ・夏祭りという名に惹かれる
  • ・今の仕事においてCMSについて理解を深めることは有益
  • ・私用でWordPress覚えておきたい
  • ・いつかは(いつ?)自分のブログもレンタルサーバ使って運用したい

とにかくCMSに対する理解・スキルが低いのは自覚しているので、今までの経験で混乱している頭の整理並びにこれからの土台になるようなものを得たいと考え参加しました。
そのため、ブースで実装のことを詳しく聞くよりも概念的な話を聞く大部屋のセミナーでの参加をメインにしました。

各セミナーについての感想、印象に残ったことなど

(ロフトワーク テクニカルディレクターがこっそり教える)運営スタッフに喜ばれる CMSの選び方 超入門

京都にある会社ということで気になる会社のロフトワークさん&「超入門」というタイトルに惹かれて参加。
車を例に、車の種類(軽自動車・バン・トラック)ならば分かるけれど、車のブランド名だと選べない、CMSも名前では選べないですよね、という導入で話に入りやすかったです。
セミナーでも紹介されたロフトワークさんのサイトにあるCMSについてのイラストはまさに超入門。他のCMSについてもイラストがあればいいのにな(人任せ)。セミナーでも言われていたけれど、ほんと、分からないことは図解するの、大事。

www.loftwork.jp

 

フロントエンドとコンテンツ配信のミライ − Webはどう変わるか

フロントエンドの技術的な話は流し聞きになりそうだけれど、サイトのセッション説明にあった「Webの姿を考えてみましょう」が気になり参加することに。参加者の半分ぐらいがディレクターで意外な印象でした。
そしてセミナーは、Web業界の流れの速さがあり、その動向がお客様のニーズを生み、技術も生む、そのニーズに応えるために技術を向上させビジネスモデルを生む、という流れに沿った話で、ディレクター向きの話でした!
特に印象に残っているのはWebのミライについて、CMSがコンテンツ管理に集中するシステムになるのではないか、という予想。
そして、日常業務の波に飲み込まれないこと大事、というメッセージは胸に来ました。日常業務を言い訳にしてては…
フロントエンドへの熱い思いを感じたセッションでもありました。熱いエンジニアと仕事できるようなディレクターになろう。

座談会 CMSとセキュリティの現場から

こちらは4名の登壇者と司会1名で進められる座談会形式のセミナーでした。実業務で困ったことをどう対応している、という具体例が多く聞きやすかったです。
セキュリティはコストとリスクの兼ね合い、というお話は本当にそうですね。これまでもそれを踏まえて説明してきたつもりでいましたが更に適切な説明ができるようになりそうです。

マーケティング・オートメーションとCMS

blog.cntlog.net

コンチさんの↑の記事で概要を知ったマーケティング・オートメーション(以下MA)。最適なコンテンツを最適なタイミングで最適な方法で届けるMA。MAを導入することで営業フローも変わっていく、という話もあり、現在の仕事の立場からしても非常に気になるツールです。
MAを使いこなすにはCMSとの連携も非常に大事、何故ならコンテンツ管理と関わってくるから、という話でした。MAの1つであるmauticのデモ画面も見せてもらいイメージは掴めましたが、そもそもマーケティングへの理解がないと使いこなせないな、という印象も受けました。

各ブースやその他

最後のセッション「オーサリングツールとしてのCMSWebアクセシビリティ」は開発向けの色が濃いかな、と考え不参加でした。次こういったセミナーがあったら参加できるレベルになれれば。

また、各セミナーの間にはブースの部屋で各CMSの説明を伺ったりしました。本当に基本的な説明やCMSの売りを聞きました。当然ながらみなさん自分の関わっているCMSを愛しているのが伝わってきました。扱っている製品に熱いのいいな。ステッカーいっぱいもらえました。

本当はブースルームのCMSプレゼンテーションも聞きたかったですがセミナーと被っていたのが残念。
セミナー聞くもよし、CMSブースで話すもよし、CMSプレゼンテーション聞くもよしで、本当にいろんな参加ができるいいイベントでした。これが無料で開催されているのがすごい。
ちなみに懇親会は不参加だったのですがLTがあったり抽選会があったりしたことを知り不参加を悔やみました。イベントの実行はたいへんだとは思いますが来年の開催も期待しています。

個人的にはこれを機にCMSへの理解レベルを上げて次のレベルに進めるようにするまでが夏祭りですね。