3月第1週(2/29~3/6)に読んだ本(2)
昨日の3月第1週に読んだ本(1)からの続きです。
2016年56冊目「光待つ場所へ」辻村深月
毒のあるミステリーを予想していたらそうではなくてなんとこれまで刊行している小説のスピンオフ集。過去を匂わす記述がぼんやりと書かれていた理由がわかりました。単独でもそれなりに楽しめたけどそれぞれの本編を読んでから読みたかったです。読書にはタイミングも大事。
2016年57冊目「回転木馬のデッド・ヒート」村上春樹
前書きがついていて短編集とは呼びづらいと注釈があります。ノンフィクションでもないけれど実際に聞いた話のように断っています。ですが読み進めたら村上さんの短編の味わいは健在だし実在するには少し嘘っぽく(でも嘘とは言い切れない絶妙なライン)いつもの短編小説と変わらないように受け取りました。
2016年58冊目「PAY DAY!!!」山田詠美
「賢者の愛」を読んで久々に山田詠美を振り返りたくなり未読の過去作品に手を付けました。アメリカの男女の双子の物語。双子は父がアフリカ系アメリカ人、母がイタリア系アメリカ人。人種、9/11というエピソードを入れながら双子の恋や家族が描かれます。
正直なところアメリカが舞台で、それが本当にリアリティがあるものなのだろうかの判断が私には出来ず淡々と読みました。女の子が何故か自信家でそれに感情移入できなかったのもあるのかな。自信家は好きなんだけれど。
2016年59冊目「ギンイロノウタ」村田沙耶香
村田さん作品を集中して読んできたけれど先にこれを読んだ方がこの後の作品への理解が深まったに違いない。初期作品で、少女の内面を強く濃く抉るように描写するだなんて知らなかった。この後の作品は幾分マイルドになっているように思います。短編2本ですが、それぞれに描かれている少女の衝動が熟成されていく様や機能していない母親の影響が静かに蓄積する描写はぞっとします。でも作者ご本人はインタビューで家族は仲良いですと答えられていたので意外な感じがしました。
2016年60冊目「さいえんす?」東野圭吾
東野圭吾が書く科学や数字にまつわるエッセイ。といっても堅苦しいものではなく軽いノリで書かれています。軽いものが読みたくて手に取りました。10年前のものなのでどうしても古さは否めませんが…。
今週の2冊
先週ピンと来るものがなかったので今週は2冊と書きました。「小泉今日子書評集」と「フランス人は10着しか服を持たない」です。「黒子の流儀」も捨て難いのですがもう少しビジネス教訓本のようなイメージもあったので次点に。読みたいと思って貪るように読む本が印象に残るのは自然なことなのかも。